●SMR:再生可能エネルギー発電の王者
1.従来の電気出力1,000 MWe超の原子力発電所と異なり、
1基毎の出力を小さくすることで原子炉の冷却を容易にし、
従来の原子炉よりも構造が簡素で発電規模も小さく、
炉心を冷やしやすい小型モジュール炉(SMR)と呼ばれる原子炉が今後世界の再生エネルギー発電の王者・主流となるだろう。
風力、太陽光等の気まぐれな自然エネルギー発電は、太刀打ちできないからである。
2.SMRの核分裂物質は、
ウランに代えてトリウムを用いたトリウムサイクルを用いた核分裂原子炉が主流となる。
3.日本でも、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」1 において、
海外のSMR実証プロジェクトと連携した日本企業の取組への支援や、
SMRの炉型の1つである高温ガス炉を用いた
カーボンフリー水素製造に必要な技術開発への支援が示されている。
4.文部科学省と経済産業省が
原子力イノベーション促進(NEXIP)イニシアチブ事業を行っており、
小型高速炉、小型軽水炉や高温ガス炉といった
革新的な原子力技術を開発する民間企業等を支援している。
※原子炉が単位時間当たりに発生する熱エネルギーの単位は Wt。
Wはワット、t は thermal(熱)の略。
熱エネルギーから変換された電気エネルギーの単位は We。
Wはワット、e は electric(電気)。
米国カリフォルニア工科大学客員教授 Prof.PhD.& Dr 物理学者 神室一翔

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