神室一翔: ●経済性・安全保障・安定供給能力、地熱エネルギー は完璧なエネルギー源 9
1.
マイクロ原子炉(小型モジュール炉:SMR)が失敗するのは目に見えている。
マイクロ原子炉と双璧技術である人工進化研究所(AERI)が研究開発を進めている地熱発電技術である熱回生バイナリーエンジン搭載型閉鎖サイクル熱交換発電システムおよびコージェネレーション型マイクロバイナリー発電システムは、
①地域を選ばず100GWhクラスの発電設備が建設可能なため大きな市場ポテンシャルを有し、
②現存の地熱発電の地下水への影響問題を解決でき、
③原発と異なりセキュリティコストが不要で、
④熱効率を上げるための垂直スケーリングが容易であり、
⑤石炭火力発電や天然ガス火力発電とタービン以降の装置が共有できるためこれらとのリプレースコストが低く抑えられ建設工期も短くて済む、といった究極の発電技術である。
2.
マイクロ原子炉(小型モジュール炉:SMR)は、意図的に効率の悪い方法を選んでいるのに、課題は何ら解決されていない。SMRは、1950年代から存在しているが、当時より今の方がましになったわけではない。
3.
3.マイクロ原子炉SMRは、その名のとおり、原子力発電であり、核分裂炉である。
つまり、放射性崩壊する核分裂性物質の燃料を使って、液体を加熱し蒸気を発生させ、その蒸気でタービンを回して発電を行う。
技術的には石炭火力発電のようなものだが、長い間地中に埋もれていた植物を燃やすのではなく、ウランの崩壊による熱を利用する。
一方、人工進化研究所(AERI)が研究開発を進めている地熱発電技術である熱回生バイナリーエンジン搭載型閉鎖サイクル熱交換発電システムおよびコージェネレーション型マイクロバイナリー発電システムは、従来の温熱水を用いた地熱発電とは全く異なる。
1000m以上の超大深度からくみ上げた地熱のみを使って、液体を加熱し蒸気を発生させ、その蒸気でタービンを回して発電を行う。
このため、地下水減少や地盤沈下、温泉量減少、地震等とは全く無関係で、地下環境・アセスメントを一切乱すことがない。
4.
原子炉の廃炉には、現在の最新字術を投入しても、10億ドル、100年かかるであろう。
これは、いくつかの国の廃炉中の原子炉で証明済みである。
米国では、原子炉の廃炉は、準備金により廃炉コストの約3分の1を賄うことになっていて、残りの約700億ドルは納税者が負担することになる。
SMRの場合は、同じ期間と、それに比例したクリーンアップ(除染)費用がかかることになる。
Nu Scale社の場合、60MWの原子炉を12基、合計720MWの発電容量を想定している。
その場合のクリーンアップコストは、7億2,000万ドル程度になるとみられる。
SMRを支持する人たちは、原子炉が廃炉のために、集中型の核廃棄物処分場で管理されることを前提にしている。
しかし、世界のどの国も集中型核廃棄物処分場を建設できていないので、この前提はありえない、アマチュア連中の絵空事といえる。
5.
地熱発電:気象条件に左右されない唯一の再生可能エネルギー発電。
原油や天然ガスのように戦略物資として供給を政治的駆け引きの手段とされることはなく、
石炭火力発電・天然ガス火力発電 のように 二酸化炭素 ( CO2 )を多量に排出することなく、
風力発電・太陽光発電 のように自然災害や天候不順が致命傷となることはない。
人工進化研究所 (AERI https://www.aeri-japan.com/ )で研究を進めている地熱エネルギーを利用した発電方法は、
①発電資源を他国に依存することなく100%自国産で供給でき、
②『 安全保障 』の面で唯一最高のエネルギー源であり、
③気候変動や異常気象、天災の影響を受けずに安定供給でき、
④基本的に原料価格が『ゼロ』で、
⑤石炭火力発電 や 天然ガス火力発電 を遥かに凌ぎ原子力発電に匹敵または凌駕する安定した100GWh(ギガワット毎時)級を超える発電量を実現できるポテンシャルを兼ね備えている。
参照されたい。
● コージェネレーション型マイクロバイナリー発電システム( https://www.aeri-japan.com/cogeneration-microbinary )
● 地熱発電 ( https://www.aeri-japan.com/geothermalpower1 )
● スマートグリッド 適応型地熱発電システム( https://www.aeri-japan.com/smartgrid1 )
米国カリフォルニア工科大学客員教授 Prof.PhD.& Dr 神室
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