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§3 総括

人工衛星搭載型噴火予兆・予測システム


§1 火山噴火予兆の予知・予測
1.【噴火の前兆現象】
(1)一般に、火山噴火は前兆を伴う。火山の足下、マグマは、地下1~10km付近のマグマ溜りに一旦集積し、次にそこから上昇して地表に移動する、というのが火山噴火の一般的な過程である。このマグマの集積と移動が元となって噴火前兆現象が引き起こされる。
(2)第1の噴火の前兆現象である「火山性地震」は、マグマが岩盤を破壊し貫入することで起こる。震源が次第に浅くなってきた場合、噴火時期が迫ってきていると考えられる。震源が集中するところがあれば、そこで噴火が起こりうる確率が相当に高いと考える。多くの火山噴火では、噴火の数か月以前から数時間前に見られる。
(3)第2の噴火の前兆現象である「火山性微動」は、火山性地震よりも振動周期が長い低周波振動である。かつ、振動の継続時間が長く、連続的な振動といった特徴を有している。火山性微動はマグマ溜まりで圧力が増したり、マグマが移動したりすることで発生すると考えられている。
(4)第3の噴火の前兆現象である「地形の変化」とは、山体の急激な隆起、傾斜の増大、地割れを刺し、マグマが地下の浅いところまで上昇してきた段階で発生する。地形の変化が顕著なところがあれば、そこで噴火が起こり得ると考えられる。
(5)その他の噴火の前兆現象としては以下のようなものがある。
①電磁気学的異常現象:地電流や地磁気、地中電気抵抗の異常変化等
②熱の異常現象:地下水温度の異常上昇等
③火山ガス(噴煙)の異常現象:噴煙ガスの組成や排出量、排出温度の異常変化等

 


2.【現状と課題】


[1]火山噴火予兆の予知(prediction of volcanic eruption)の現状
現行の火山噴火の予兆・予知とは、火山の噴火による災害を軽減するために、噴火の時期・場所・様式等の予兆を予め事前にある程度予測することである。過去の火山噴火前兆データの蓄積により、地震計や傾斜計、伸縮計という各種の高精度の観測装置を用いた観測体制が整備され、過去の噴火パターンが比較的明らかな火山では、顕著な噴火の開始をある程度予測することができる。


[2]火山噴火予兆の予知・予測の現状と課題
(1)避難・防災行動及び被害の甚大化抑止のためには、「火山噴火予兆の予知・予測」の根拠となる噴火の前兆現象の発生検知・噴火警報の発令から実際の噴火までの十分な避難猶予期間の確保が課題(警報発令タイミング困難性)である。噴火の前兆やマグマの噴出を伴わない水蒸気爆発等の「顕著でない噴火」に対する火山噴火予兆の予知・予測及び早期噴火警報の発令がさらに困難であるといった課題(第1課題)がある。
(2)「顕著な噴火」に対する火山噴火予兆の予知・予測においても、噴火の様式や噴火活動の推移に対するさらなる精度・確度の高度化、警報の早期化・最適化の要求といった課題(第2課題)もある。
(3)火山の噴火の多くのケースは噴火との因果関係が明らかな前兆を伴う。しかし、①噴火の開始は予測できても、②その後活動がどのように推移するのか、③再び大きな噴火が起こりうるのかといった予測は困難であり(活動推移困難性)、④いつ終息するのかの予測も困難である(終息予測困難性)といった課題もある。これに対し、地震は前兆とされる現象との因果関係が明らかではないといった課題(第3課題)がある。
(4)火山噴火の「終息宣言」は、安易な判断で危険を見逃して犠牲を生むことはできないため、タイミングに慎重にならざるを得ず、安全を見込んで、警報などは長期間出され続けることが多い。噴火は短ければ数日、長ければ数年続くため、場合によって数年に亘って警戒を続けることとなる(警戒期間困難性)。住民の避難や交通規制などが与える社会的・経済的な影響も長期に亘り、火山に近い観光地ではこれが大きな課題(第4課題)となる。
(5)また、噴火の前兆現象により活動の活発化が確認され、警報などが出されても、噴火には至らず、そのまま活動が低下していく「空振り」もしばしば見られる(第5課題)。


[3]火山噴火監視の体制の現状
火山を有する都道府県・市町村の各自治体では現在、政府機関や大学、研究者らが人海戦術で、火山警戒地域に点在(定点設置)された地震計や傾斜計、伸縮計という各種の高精度の観測装置を用いた計器観測、及び人手による現地観測を通して噴火の監視が行われる。日本では、特に注意が必要と判断されている約30の活火山で、気象庁や大学などの研究機関が観測所を設けるなどして常時観測を行っている。これらの火山観測地域では、散布設置されているGPSによる隆起や地温の観測や通常の地震観測によりカバーされるものの、観測装置の散布密度・散布数は全く不十分であり、かつ観測装置は精度・確度や迅速性が欠けているという課題がある。また、たとえ異常を検知できたとしても、異常を検知した観測装置の設置場所に観測班を派遣するなどの悠長な対応を執るしか手段がないという課題もあった(第6課題)。

 

 


§2 人工衛星搭載型噴火予兆・予測システム


1.概説
(1)国土強靭化ソリューション、持続可能な社会インフラ実現ソリューションである人工衛星搭載型噴火予兆・予測システムの光源であるフェムト秒レーザーは、人工衛星搭載型MEGA地震予兆・予測システム( https://www.aeri-japan.com/megaearthquakeforecasts )と同様に、核兵器・通常兵器無効化ソリューションとして人工進化研究所(AERI https://www.aeri-japan.com/)が提供している対戦闘機・対ミサイル・対ICBM用次世代迎撃レーザーシステム(AERI・HEL地対空防衛システム/ミサイル防衛システム https://www.aeri-japan.com/anti-icbm-interceptor-lasersystem )と共通の超高出力レーザー(HEL)モジュールを用いている。
(2)人工進化研究所(AERI https://www.aeri-japan.com/)の超高エネルギーレーザー(AERI・HEL技術)は、軟X線、紫外域、可視光線、遠赤外域まで幅広い波長の光を取り出すことができ、出力もMW(メガワット)超級まで任意に選択できる。弊所( https://www.aeri-japan.com/)では当該超高エネルギーレーザー(AERI・HEL技術)の重要アプリとして軍事兵器の分野での実用化を目指す研究も行っている。
(3)人工衛星搭載型噴火予兆・予測システムの光源としての上記超高エネルギーレーザー(AERI・HEL技術)は、50MW超クラスのスーパーパワーで、空間分解能10平方μm~10平方mm、可変波長紫外~中赤外領域の任意波長が選択でき、CW~フェムト秒(10fs程度)の超短パルス幅といった高分解能と高時間分解能を有する極短パルスを、200km程度の超遠距離で任意に生成できる。

 


2.噴火予知用オプション装備
(1)人工衛星搭載型噴火予兆・予測システムは、火山性微動検知レーザーリモートセンシングモジュール】と火山性噴火ガス検知赤外(IR)分光・FT-IR分光レーザーリモートセンシングモジュール】を装備できる。
(2)【火山性微動検知レーザーリモートセンシングモジュール】
人工進化研究所(AERI https://www.aeri-japan.com/)が国土強靭化ソリューション、温暖化防止ソリューション、持続可能な社会インフラ実現ソリューションとして提供する、人工衛星搭載型MEGA地震予兆・予測システム( https://www.aeri-japan.com/megaearthquakeforecasts )は、火山性微動を検知する噴火予知衛星光電子工学技術として、量子干渉型ベクトル・ダイナミック技術を応用して噴火に強い相関性を有するリアル物理データである噴火の前兆現象の一つである火山性微動を噴火前兆データ(宏観異常データ)として常時収集(例えば、1時間に一回収集)することで①24時間常時、②リアルタイム、かつ③in situ観測するレーザーリモートセンシング技術である火山性微動検知レーザーリモートセンシングモジュールを標準で実装している。
(3)【オプション装備:火山性噴火ガス検知赤外(IR)分光・FT-IR分光レーザーリモートセンシングモジュール】
人工衛星搭載型MEGA地震予兆・予測システム( https://www.aeri-japan.com/megaearthquakeforecasts )は、火山性噴火予兆ガスを検知する噴火予知衛星光電子工学技術として、噴火に強い相関性を有するリアル物理データである噴火の前兆現象の一つである噴火前兆データ(宏観異常データ)として、主成分である水蒸気や二酸化炭素のほか、二酸化硫黄(亜硫酸ガス)のほか、硫化水素や塩化水素等の各種火山性噴火予兆ガスを、常時収集(例えば、1時間に一回収集)することで①24時間常時、②リアルタイム、かつ③in situ観測を実現する衛星光電子工学応用火山性噴火ガス検知赤外(IR)分光・FT-IR分光レーザーリモートセンシングモジュールをオプションとして実装できる。

 


3.噴火の前兆現象の検知・予知・予測
(1)人工衛星搭載型MEGA地震予兆・予測システム( https://www.aeri-japan.com/megaearthquakeforecasts )では、量子干渉型ベクトル・ダイナミック技術及びオプション実装した上記火山性微動検知レーザーリモートセンシングモジュールがリモートセンシングした噴火前兆データ(宏観異常データ)である上記火山性微動情報、及びオプション実装された火山性噴火ガス検知赤外(IR)分光・FT-IR分光レーザーリモートセンシングモジュールがリモートセンシングした噴火前兆データ(宏観異常データ)である上記火山性噴火予兆ガス情報の2情報を用いて、システム内の人工知能プロブラムが人海戦術や噴火予測判断の専門家の知識や直感、個人差・ばらつき・ムラ等に依存しない噴火予兆の24時間常時・リアルタイム・in situ予知・予測を実現している。
(2)上記衛星光電子工学応用赤外(IR)分光・FT-IR分光レーザーリモートセンシングモジュールを実装することにより、水蒸気(H2O)、フッ化水素(HF)、塩化水素(HCl)、二酸化硫黄(SO2)、硫化水素(H2S)、二酸化炭素(CO2)、水素(H2)、窒素(N2)、一酸化炭素(CO)、メタン(CH4)等の火山性噴火ガスの①24時間常時、②リアルタイム、かつ③in situでの観測が実現可能である。衛星光電子工学応用赤外(IR)分光・FT-IR分光レーザーリモートセンシングモジュールをオプション実装(搭載)することで、短波長赤外領域の観測スペクトルから二酸化炭素、メタン、水蒸気の濃度(例えば、カラム平均濃度)を推定することができる。

 

 

4.噴火予兆・予測システムの作用
(1)MEGA地震予兆・予測システム( https://www.aeri-japan.com/megaearthquakefor )地震予兆に用いられている量子干渉型ベクトル・ダイナミックモジュールを用いてに加えて火山性微動レーザーリモートセンシングモジュール、火山噴火予兆の予知・予測が可能である。
(2)国土強靭化ソリューションの主力戦略手段として人工進化研究所(AERI https://www.aeri-japan.com/)が研究開発を進めている『MEGA地震予兆・予測システム』( https://www.aeri-japan.com/megaearthquakeforecasts )は、基本モジュールである量子干渉型ベクトル・ダイナミック技術を応用した火山性微動検知レーザーリモートセンシングモジュール(第1オプション装備)に加えて、火山性噴火ガス検知赤外(IR)分光・FT-IR分光レーザーリモートセンシングモジュール(第2オプション装備)を実装することで、火山噴火の前兆現象の一つである「地表面の変化・変動」を、量子干渉を応用して数値解析するレーザー応用リモートセンシングであって、常時24時間体制で日本全土を監視し、定量解析する人工衛星レーザー応用リモートセンシング(衛星光電子工学応用技術)である。
(3)『MEGA地震予兆・予測システム』( https://www.aeri-japan.com/megaearthquakeforecasts )では、

(ア)火山性微動検知レーザーリモートセンシングモジュールが検知する①地表面形状の変化・変動(地表面のずれ、断層形成、亀裂、隆起、陥没だけでなく、地表面近くでの歪み等の発生・蓄積)、②地表面振動(地鳴り、地響き)の変化・変動を、24時間常時・リアルタイム・in situ数値化・可視化している。
(イ)火山性噴火ガス検知赤外(IR)分光・FT-IR分光レーザーリモートセンシングモジュールが検知する③噴出ガスの種類・濃度の変化・変動、

ウ)衛星光電子工学応用赤外センサーが検知する④地表面温度の変化・変動等を上記地表面の変化・変動、すなわち火山噴火の前兆現象として定量解析する。

デフォルトで、地表面の垂直・水平方向の変異を、1日、1週間、1ヶ月、1年のスケールで24時間常時・リアルタイム・in situで観測。
(4)隆起・沈降、水平ズレに加えて、観測点の異常振動(地震予兆微動)と噴出ガスを同時にリアルタイムで測定し、地震前兆を予測。すなわち、火山性微レーザーリモートセンシングモジュールは地表面の変化・変動(凹凸)の時間変位に加えて、振動、加速度等の噴火の前兆現象を、24時間常時、②リアルタイム、かつ③in situで数10万ポイントずつ数値化する。
具体的には、(1)地表面のずれ、断層形成、亀裂、隆起、陥没、地表面近くでの歪みの発生・蓄積等の①地表面形状の変化・変動、及び②地表面振動(地鳴り、地響き)の変化・変動を数mmの測定精度で火山性微レーザーリモートセンシングモジュールが、(2)②水蒸気や二酸化炭素、二酸化硫黄(亜硫酸ガス)等の主要噴火ガスに加えて、水素ガスや一酸化炭素、硫化水素、塩化水素、メタンガス、アンモニア等の少量噴火ガスの種類・濃度の変化・変動を数ppmの精度で火山性噴火ガス検知赤外(IR)分光・FT-IR分光レーザーリモートセンシングモジュールが、(3)④地表面温度の変化・変動を0.1℃の精度で火山噴火の前兆諸現象を衛星光電子工学応用赤外センサーが、GPS・GLONASS情報と共に、全国に点在する火山域に対して数㎜乃至数mのピッチでリアルタイムにin situで24H数値化・可視化が可能(衛星上から、デフォルトで、日本全土を1時間に1回全スキャン)。 
(5)これにより、地震予兆に加えて、従来の衛星写真や観測点計測のような、人海・静的観測ではなく、人工衛星レーザー応用リモートセンシング(衛星光電子工学応用技術)によるダイナミック・リアルタイム・in situ観測による火山噴火予兆の予測を実現。本システムによる経済効果は少なくとも100兆円を下回らない。従来の人知に頼る地震予兆・噴火予兆の予報に革命的進化をもたらすことができる。

 


5.本システムの効果
(1)効果1:量子干渉型ベクトル・ダイナミックモジュール及び火山性微動検知レーザーリモートセンシングモジュールを実装することで、避難・防災行動及び被害の甚大化抑止のために、「火山噴火予兆の予知・予測」の根拠となる噴火の前兆現象の発生検知・噴火警報の発令から実際の噴火までの十分な避難猶予期間の確保が可能となる(警報発令タイミング課題の解決)。かつ、赤外(IR)分光・FT-IR分光レーザーリモートセンシングモジュールを実装することで、噴火の前兆やマグマの噴出を伴わない水蒸気爆発等の「顕著でない噴火」に対する火山噴火予兆の予知・予測及び早期噴火警報の発令が容易となる。
(2)効果2:「顕著な噴火」に対する火山噴火予兆の予知・予測においても、噴火の様式や噴火活動の推移に対するさらなる精度・確度の高度化、警報の早期化・最適化が可能となる。
(3)効果3:人工衛星上から、GPS・GLONASS情報と共に、全国に点在する火山域に対して数㎜乃至数mのピッチでリアルタイムにin situで火山噴火予兆データを24時間数値化・可視化して噴火予知・予測を行うので、①噴火の開始の予測だけでなく、②その後活動がどのように推移するのか、③再び大きな噴火が起こりうるのかといった予測が可能となる(活動推移困難性の解決)。かつ、④いつ終息するのかの予測も容易となる(終息予測困難性の解決)。噴火は前兆とされる現象との因果関係をAIが数値化し客観的に判定できる。
(4)効果4:火山噴火の「終息宣言」は、安易な判断で危険を見逃して犠牲を生むことはできないため、タイミングに慎重にならざるを得ず、安全を見込んで、警報などは長期間出され続けることが多い噴火に対する長長期の警報・警戒を継続できるようになる(警戒期間困難性の解決)。火山に近い観光地や住民の避難や交通規制などが与える社会的・経済的な影響を最小化できるるようになる。
(5)効果5:警報の「空振り」問題を解決できる。すなわち、噴火の前兆現象により活動の活発化が確認され、警報などが出されても、噴火には至らず、そのまま活動が低下していく課題を解決できる。

 

 


§3 総括


(1)人工進化研究所(AERI https://www.aeri-japan.com/)が提供する人工衛星搭載型MEGA地震予兆・予測システム( https://www.aeri-japan.com/megaearthquakeforecasts )は、火山噴火性のガス噴出検知した地点を24時間常時・リアルタイム・in situ数値化・可視化して迅速かつ正確な対応を執ることが可能となるという火山噴火監視の体制の革新的進歩を実現できるようになる。
(2)従来、火山を有する都道府県・市町村の各自治体では現在、政府機関や大学、研究者らが人海戦術で、火山警戒地域に点在(定点設置)された地震計や傾斜計、伸縮計という各種の高精度の観測装置を用いた計器観測、及び人手による現地観測を通して噴火の監視が行われる。日本では、特に注意が必要と判断されている約30の活火山で、気象庁や大学などの研究機関が観測所を設けるなどして常時観測を行っていた。これらの火山観測地域では、散布設置されているGPSによる隆起や地温の観測や通常の地震観測によりカバーされるものの、観測装置の散布密度・散布数は全く不十分であり、かつ観測装置は精度・確度や迅速性が欠けているという課題があった。本人工衛星搭載型MEGA地震予兆・予測システム( https://www.aeri-japan.com/megaearthquakeforecasts )はこの課題を解決できる革新的技術である。
(3)以上、人工進化研究所(AERI https://www.aeri-japan.com/)が提供する、国土強靭化ソリューション、温暖化防止ソリューション、持続可能な社会インフラ実現ソリューションである『MEGA地震予兆・予測システム』( https://www.aeri-japan.com/megaearthquakeforecasts )は、火山を有する都道府県・市町村の各自治体では現在、政府機関や大学、研究者らが人海戦術で、火山警戒地域に点在(定点設置)された地震計や傾斜計、伸縮計という各種の高精度の観測装置を用いた計器観測、及び人手による現地観測を通して噴火の監視が行われる。日本では、特に注意が必要と判断されている約30の活火山で、気象庁や大学などの研究機関が観測所を設けるなどして常時観測を行っている。これらの火山観測地域では、散布設置されているGPSによる隆起や地温の観測や通常の地震観測によりカバーされるものの、観測装置の散布密度・散布数は全く不十分であり、かつ観測装置は精度・確度や迅速性が欠けているという課題がある。また、たとえ異常を検知できたとしても、異常を検知した観測装置の設置場所に観測班を派遣するなどの悠長な対応を執るしか手段がないという火山噴火監視の体制の現状の有する課題を解決できるようになる。
以上

 

 

 


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備考:赤外分光法
1.【概要】
1.赤外分光法(infrared spectroscopy、 略称IR)0.8~1000μmの赤外領域の光を分子に照射すると、赤外線の振動周期と原子の振動周期が一致する場合に、個々の原子、原子団はそれぞれの周期に応じてエネルギーを吸収し、振動は基底状態から励起状態に変化する。この吸収が赤外線スペクトルの吸収となって現れる。原子は分子構造に応じた固有の振動を有するため、吸収スペクトルを解析することで分子構造に関する知見を得る手法。最もよく利用されるのは、中赤外の領域(2.5~25μm)で、この領域の吸収スペクトルは、分子振動のなかでも、双極子モーメントの変化を伴う振動によって生じる振動スペクトルである。対象物の分子構造や状態を知るために使用される。
2.物質は、赤外線を照射すると、それを構成している分子が光のエネルギーを吸収し、量子化された振動あるいは回転の状態が変化する。したがって、ある物質を透過(あるいはある物質で反射)させた赤外線は、照射した赤外線よりも、分子の運動の状態遷移に使われたエネルギー分だけ弱いものとなっている。この差を検出することで、分子に吸収されたエネルギー、言い換えれば対象分子の振動・回転の励起に必要なエネルギーが求められる。
3.分子の振動・回転の励起に必要なエネルギーは、分子の化学構造によって異なる。したがって、照射した赤外線の波数を横軸に、吸光度を縦軸にとることで得られる赤外吸収スペクトルは、分子に固有の形を示す。これにより、対象とする物質がどのような構造であるかを知ることができ、特に有機化合物の構造決定によく使われている。スペクトルのうち、波数が1500cm-1以上の部分を診断領域、それ以外の部分を指紋領域という。前者は二重結合、三重結合そして水素原子と結合するものの、後者は単結合の振動励起の結果が表される。また、同じ分子であっても、温度や周囲の状況(自由に動いているか、何かの表面に吸着しているか、など)によって、赤外スペクトルは微妙に変化する。これより、物質の表面構造などについても知ることができる。
2.【手法】
赤外分光法には(1)熱赤外分光法(Thermal infrared spectroscopy 略称TIR)、(2)近赤外線分光法(near‐infrared spectroscopy 略称NIRS)、(3)FTIR (フーリエ変換赤外分光法) 等の手法がある。
1.熱赤外分光法(Thermal infrared spectroscopy 略称TIR)
TIRとは赤外分光法の一つであり、物体の構成物質を決定する目的で広く使われている。物体全体や表面から放出された熱赤外線を測定し、その電磁スペクトルを解析して既知の物質のスペクトルと比較することで構成物質を決定できる。
2.近赤外線分光法(near‐infrared spectroscopy 略称NIRS)
NIRSとは、近赤外線領域での分光法。測定対象に近赤外線を照射し、吸光度の変化によって成分を算出する近赤外拡散反射スペクトル分析機能を備えている。特長として、近赤外線は中赤外線・遠赤外線と比較して吸収が極めて小さいため、切片等を作成することなく、非破壊・非接触での測定ができる。
実用化のための難点としては、近赤外線分光法では倍音・三倍音を観測すること、光の吸収は様々な要因が複合しているために成分との直接的な関連付けが困難なことなどがあった。しかし、コンピュータの低価格化と多変量解析(ケモメトリックス)の発達により、定量分析に応用することが可能となった。
3.FTIR (フーリエ変換赤外分光法) 
FTIRとは、IR(赤外分光法)のうち、FTIR 原理が適用(信号を時間領域で記録した後、周波数領域にフーリエ変換)されたもの。FTIRは波長を変化させて試料に赤外線を照射するのではなく、連続光を試料に照射し、干渉パターンをフーリエ変換することで分子構造に応じた吸収スペクトルを取得し、物質中の原子団(基)の情報を得る手法。連続光による全波数域の入射光を同時に測定できることから、短時間で高感度の測定が可能。
FTIRには透過法反射法と測定法がある。透過法としては、KBr錠剤法、ヌジョール法、KBrプレート法、薄膜法、液膜法、溶液法、ガス測定法等がある。反射法としては、ATR法、拡散反射法、正反射法(正反射光)、正反射法(透過反射光)、高感度反射(RAS)法等がある。

§1 火山噴火予兆の予知・予測
1.【噴火の前兆現象】
2.【現状と課題】
§2 人工衛星搭載型噴火予兆・予測システム
1.概説
2.噴火予知用オプション装備
3.噴火の前兆現象の検知・予知・予測
4.噴火予兆・予測システムの作用
5.本システムの効果
備考:赤外分光法
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